内山節会長からのメッセージ

 これまでの社会、政治、経済、考え方というような、つまり近代以降の時代を支えてきたすべてのものが生命力を失っていく時代。いま私たちはそんな時代に暮らしている気がします。いままでを支えてきたものが、次々に崩れ、意味を失い、それが混乱をも招きながら、その先がよく見えない。この時代に必要なことは、まずは崩壊し、混乱していく時代を楽しむことだろうと私は思っています。自分を守ろうとすることではなく、壊れていく時代を生きることを楽しむ。とともに、楽しむためには創造的でなければいけないのでしょう。確かなものをつくりだしながら生きているということへの信頼がなければ、時代を楽しむなどということはできないからです。確かなローカルな世界をつくり、確かな連帯をつくり、自然とも、過去とも、文化とも確かに結びつく。私たちがすでに着手してきたことへの信頼こそが、この時代を楽しませ、この時代を生きる喜びを生みだしていく。私たちはこのような意味で実践的な集まりでありたいと思っています。


吉澤保幸事務局長からの活動報告

 今年度の地域活性化協議会は、3.11への対応から始まりました。3.11の意味するところを読み解きながら、この間の、9.11、9.15.そして、今年の3.11という文明の転換期に当り、日本が世界に対して現在の社会のあり方をラデイカル(根源的)に問い直し、発信していく役割を担っているとすれば、そのキーワードは「いのちの紡ぎ直し(人と人、人と自然、生と死のあり方を問い直すこと)による地域の自立と連携」であると考え、東北復興への「目に見える関係」を構築しながらの継続的支援の実施とそれを通じる日本再生の模索を積極的に行ってきました。
 同時に、世界の金融経済においては、ドルの信認低下、ギリシャ危機に端を発するユーロ危機、というリーマンショック以来のグローバル資本主義の混迷の度が更に増す展開になり、一段とローカルからの新しい社会の構築が急務となってきていると強く認識しています。
 こうした状況下、ものづくり生命地域活性化協議会としての具体的な活動としては、

幅広い東日本大震災復興支援活動の参加・展開

・日本再生会議の開催(3月下旬から2週間に一度)
・内山会長の呼びかけによる志民による追悼(4月24日)
・各種震災復興支援シンポジウムへの参加
・「沿岸漁業の再生:東日本大震災『森は海の恋人運動』を緊急支援する研究会」(4月30日、5月1日)への参加
・福島、宮城、岩手等の被災地への復興支援活動への参画等

第4回ローカルサミットin南砺の開催

 第4回ローカルサミットは、『東日本大震災に学ぶ「地域からの日本再生プラン」−新たな暮らし方は祈りを忘れない〜「土徳の里」からのいのちの紡ぎ直し〜』をテーマにし、9月23〜25日に富山県南砺市利賀村・城端において、300名近い全国からの志民が集まり、議論と交流の中で開催されました。そして、最終日には南相馬市長や小田原市長、阿久根市長他も入っての首長サミット等も開かれ、志民と首長の連携強化を謳いつつ、ローカルサミット宣言を発表しました。
―ローカルサミットの具体的内容等は、ローカルサミットHPをご参照。

各地域での地域活性化活動の一段の進展

 この間進めてきています各地の地域活性化活動では、復興支援活動とも連動しつつ、一段と活動が強化されると共に、各地域間の連携も強化されてきました。
例えば、高崎では、中之条町での被災者支援活動と連動する形で、屋台村等を活用した支援活動や近隣他地域との連携強化を進めてきました。また、小田原では、志民と行政等との連携の下、新しいまちづくり会社(合同会社まち元気小田原)を設立し、地下街の再利用やエネルギーの自立等への取り組みなど、地域資源の再活用等の具体化が進められ始めました。更に、愛媛県宇和島市では、2010年初に当NPO法人理事長名で市長宛の嘆願書を発しました由緒ある古旅館木屋旅館の再生PJが具体化のフェーズに入り(市当局が購入し、民間でのまちづくり会社での指定管理の取得と再生事業の展開)、合同会社きさいや宇和島も設立されました。

 以上のような志民による地域からの新しい暮らし方を模索する動きが展開する中で、我々のアプローチを今一度きちんと整理し、発信していくことが求められていると強く感じております。
 そうした中で、この下期の活動の更なる展開を図っていきたいと考えていますが、当面、具体的に予定されている主な活動は、次のとおりです。

11月6〜8日の片品村での哲学三人塾(内山会長、大熊孝先生、鬼頭秀一先生)を開催

 テーマは、「ポスト3.11の日本を哲学する」というものです。

11月19〜20日の小田原の環境志民フォーラム〜森の再生からブリのくるまちへ〜を開催

 テーマは森里海連環から、エネルギーの自立も含めて地域の再生を地元の環境シテイ活動と連動させながら考えていくというものです。昨年のローカルサミットで提示されたブリを生みに蘇らせるPJの帰趨を検証すると共に、3.11を踏まえてエネルギーの地域内自立を具体的に検討して参ります。

来年2月4〜5日には、第4回上野村シンポジウム「東日本大震災から未来へ〜培ってきたものの再評価、新しいものの創造〜」を開催

 テーマは3.11を経ての具体的な新たな暮らし方を整理し、地域の文化を大事にして生きてきた上野村から未来を語り合うというものです。

更に、来年1〜3月中には、ものづくり生命文明機構全体でのシンポジウムを開催し、この1年間の活動の総括を行う予定です。

地域の現場から <ローカルからの日本再生プランの提言>
 小田原鈴廣代表取締役 鈴木悌介氏より

 昨年10月の第3回ローカルサミットでいただいた様々な提言、激励、宿題にどう応えようか苦悩していたところに起こったあの3.11.。 頭をガツンと叩かれ、目が覚めた想いでした。やるべきことははっきりしている。必要なことは綿密な工程表に基づく果敢な行動だと。被災地への支援活動や原発から学んだこと。人と人とのつながり、それも顔の見える人間関係、地域コミュニティーの大切さ。そしてそれがいかに壊れやすいかも。中央集権的なしくみの限界と地域自立型のしくみの重要さ。いい意味でも悪い意味でも全てはつながっていること。「自分だけよければ」はありえないこと。たくさんの犠牲の上に得た学びを活かしていくことが、生かされている私たちの使命だと任じております。
我がふるさと、小田原では、2011年4月に地元企業と志民の出資によるまちづくり会社である、「合同会社 まち元気 小田原」を立ち上げ、中心市街地の諸課題に取り組み始めました。また、エネルギーを自分ごとと捉え、地域でエネルギーの自給のための会社を立ち上げるべく、行政とも連動しながら動き始めました。まずは地域で、小さくともいいから「循環」を実際に廻し始めること。各地での「小さな循環」が大きな循環につながり、この国のあり様をも変える可能性を信じながら。

 

 いのち・生態系の重要性を確認し、その価値を高めるための活動を、「もの」と「こころ」の両面から、「出合い」「学び合い」「助け合い」の実践を通じて展開することが、これからの地域活性化のモデルになることを示していきます。ものづくり生命・地域活性化協議会では以下の3つの検討を通して、これらからの地域活性化のモデルを提言します。

  • 都市と地方の間における新しい循環系(ビジネスモデル)の構築
  • ローカルファイナンスのあり方の構築(内山理事を座長とした「地域づくりと貨幣・ローカルファイナンスのあり方研究会」の成果としてのローカルファイナンス論の提言)
  • 半商品(商品の形であるが、文化的価値が内包されているもの)による地域・ビジネス変革の具体化
会長  : 谷口正次(国際連合大学ゼロエミッションフォーラム産業界代表理事)
事務局長  : 吉澤保幸(場所文化フォーラム代表)
 
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